【論考】がれき処理 特措法は憲法無視ーーリサイクル流通は危険

4/11 琉球新報「論壇」に掲載された論考を、ご本人のご快諾を得て、ご紹介します。(ありがとうございます!) 法的な視点、そして、震災がれき受け入れを単発の問題にしない提言があります。

「がれき処理 特措法は憲法無視ーーリサイクル流通は危険 」 (入山伸二さん・うるま市)
震災がれき受け入れ問題で、私はもう一つ懸念していることがあります。それは、特別措置法(平成23年8月30日法律第110号)によって定められた安全基準値に基づいて、全国で震災がれきを原材料としたリサイクルが合法的に行なわれることです。
今、賛成・反対と議論をしている震災がれき問題は、自治体の焼却施設を利用した処理に関してのことです。特別措置法は広域処理を可能とするだけでなく放射能汚染されたがれきのリサイクルも合法化することができます。原子力施設の事業所内では今でも従来の安全基準値が厳守されていますが、特措法は一般住民が暮らす環境下でのがれきの焼却・埋め立て処分などの安全基準値をいきなり80倍にまで引き上げたのです。さらに国は安全性について根拠を示していません。科学者や市民団体のみならず、一部の自治体もこのことを指摘しています。
震災がれきを受け入れないことが自治体で決定されても、震災がれきを原材料とした製品の流通を止めることができません。現行特措法がある限り、それは合法的に行なうことができるのです。
それらを懸念して、北海道の黒松内町長は、セメント会社ががれき焼却灰を原料の一部として生コンクリートを拡散させることが予想されると指摘しています。さらに、学校の改修や公営住宅の建設が予定されている同町では、低濃度被曝を避けるために放射能入りコンクリートを使用させることは絶対にできないと決意を述べています。
このように今、私たちが直面している最大の問題は、原子力施設の事業所内では許されないほどに引き上げられた、特別措置法による安全基準値なのです。一般の人たちが暮らす生活空間のほうが原子力施設の事業所内より放射能濃度が高いことを容認している法律なのです。
私たちが震災がれき受け入れ問題に目を奪われている間に、放射能汚染されたがれきのリサイクルが始まろうとしています。これは民間企業が請け負って行なわれます。私たちはこれを黙認するしかないのでしょうか。
憲法や法律を正しく守れば、特別措置法は成立しないはずです。この法律が憲法や既存の法律を無視していることはすでに指摘されています。
だから、特別措置法によって定められた安全基準値に異を唱えることが大切なのです。その最初のステップが広域処理を止めさせることです。それが私たちの未来を守ることにつながっているのです。放射能管理の原則「拡散を防ぐ」を厳守しない限り私たちの未来は失われてしまいます。 ( 2012/4/11 琉球新報「論壇」掲載 )

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